札幌の賃貸で水道凍結したら?水抜き・対処法・修理費の負担を解説
札幌の冬に気を付けたい住まいのトラブルが水道凍結です。
水が使えなくなるだけでなく、配管の破損や漏水、階下への被害につながることもあります。
「水抜きしたのに凍った」「半日留守にしただけなのに水が出ない」
「修理費は入居者と大家さんのどちらが払うの?」といった疑問を持つ方もいるでしょう。
今回は、札幌市水道局・北海道ガスの案内と、当社の対応経験をもとに、
予防方法・凍ったときの対応・費用負担を整理します。
すでに水が出ない方へ
- 水・お湯のどちらが出ないか、漏水がないかを確認する。
- 賃貸住宅では、まず管理会社・貸主・契約書記載の緊急窓口へ連絡する。
- 熱湯・直火での解氷、給湯器へのお湯やドライヤーの使用は避ける。
- 修理を手配する場合は、作業内容・出張費・追加料金を確認する。
- 復旧後も配管や設備から水が漏れていないか確認する。
執筆:Akari Estate株式会社 代表取締役 佐藤 幸三
情報確認日:2026年10月22日
水抜きや復旧の操作は、建物・設備によって異なります。
お住まいの管理会社の案内と、使用機器の取扱説明書を確認してください。
水道凍結を防ぐには?水抜きは設備に合った方法で

水抜き(水落とし)は、配管内の水を抜いて凍結を防ぐための操作です。
蛇口を閉めることや、止水栓で水を止めることだけでは、水抜きにならない場合があります。
札幌市水道局は、外気温がマイナス4℃以下になるとき、就寝・旅行などで長時間水道を使わないとき、
一日中氷点下の「真冬日」が続くときに、特に注意を呼びかけています。
マイナス4℃は注意の目安で、それより暖かければ必ず凍らないという意味ではありません。
気温だけでなく、室温や配管の通り道によっても凍結のしやすさは変わります。
入居したら、冬になる前に確認しておくこと
- 自分の部屋の水抜き栓・電動操作盤はどこにあるか。
- 水抜き時に操作する蛇口や空気入れはどれか。
- 給湯器・洗濯機・トイレなどに別の凍結対策が必要か。
- 長期不在時の手順と、帰宅後の通水手順はどうするか。
- 凍結予防のために通電を続ける必要がある設備はどれか。
水抜き栓には手動式・電動式などがあり、必要な操作も異なります。
分からない場合は、管理会社に実際の設備を見ながら説明してもらいましょう。
無理にハンドルを回したり、分からないバルブを操作したりしないでください。
水抜き栓の操作に加え、蛇口や空気入れの操作が必要な設備もあります。
一般的な図解と自宅の設備が同じとは限らないため、操作箇所を確認することが大切です。
一次情報:
札幌市水道局「水道の凍結について」
給湯器の電源を一律に切らない
凍結予防ヒーターが搭載された給湯器では、電源プラグを抜くと凍結予防機能が働かなくなることがあります。
「留守にするからブレーカーをすべて落とす」と自己判断せず、設備ごとの指示を確認してください。
また、給湯器本体に凍結予防機能があっても、接続する水道配管まで守れるとは限りません。
水抜き方法や電源の扱いは機種によって異なります。
暖房についても、留守中の使用が認められていないストーブをつけたまま外出することは避けてください。
一方、建物によっては常時運転を前提とした暖房・凍結予防設備があります。
一律につける・消すと決めず、管理会社とメーカーの指示に従うことが基本です。
水抜きしたのに凍ったのはなぜ?
水抜きをしたつもりでも、配管や設備の一部に水が残っていれば凍結することがあります。
操作の問題だけでなく、設備の不具合などが関係する場合もあるため、原因を決めつけないことが重要です。
| 確認する点 | 確認内容 |
|---|---|
| 水抜き操作 | 必要な蛇口・空気入れの操作や、水抜き栓の切替えが完了していたか。 |
| 機器側の水抜き | 給湯器などに必要な別の操作がなかったか。 |
| 水抜き設備の不具合 | 電動操作盤や水抜き栓が正常に動いていたか。 |
| 配管・保温の状態 | 水が残りやすい配管状態、保温不足、低温になる経路がないか。 |
配管の勾配や設備の故障は、入居者だけでは判断が難しい部分です。
再発している場合は、解氷だけで終わらせず、業者に原因の確認を依頼しましょう。
当社の対応経験:水抜き後の凍結相談
2020年末から2021年初めにかけての厳しい冷え込みの際、
当社にも「水抜きしたのに凍った」「修理業者を紹介してほしい」という相談が寄せられました。
年末年始と重なり、業者の手配に時間が掛かる状況もありました。
当社の管理物件でも、水抜き後に凍結したケースが1件あり、その際の費用は当社で負担しました。
ただし、これは当時の個別対応です。
水抜きしたという事実だけで、すべてのケースの負担者が決まるわけではありません。
水道が凍ったときは、まず状況を確認して管理会社へ
1.水・お湯・漏水の状況を確認する
水が出ない原因は凍結とは限りません。
断水やポンプ設備の停止などの可能性もあるため、管理会社への連絡時に次の情報を伝えてください。
- 最後に水を使えた時刻と、水が出ないことに気付いた時刻。
- 台所・洗面・浴室など、どの場所で水が出ないか。
- 水は出るがお湯が出ないのか、水もお湯も出ないのか。
- 給湯器のエラー表示、漏水、異音の有無。
- 水抜きを行った時刻と具体的な操作内容。
漏水がある場合は、分かる範囲で自室の止水方法を確認し、安全に操作できる場合は止水します。
共用設備や用途の分からないバルブは操作せず、管理会社の緊急窓口へ連絡してください。
電気設備がぬれている場合は触らないでください。
2.水道管と給湯器を同じ方法で温めない
札幌市水道局は、露出した水道管や蛇口の軽い凍結について、
タオルを巻いて上からゆっくりお湯を掛ける方法を案内しています。
一方、給湯器やその接続配管では、お湯や温風によって損傷するおそれがあります。
自己判断での解氷で避けたいこと
- 熱湯を掛ける、バーナーなどの直火を当てる。
- 給湯器や接続配管へお湯・ドライヤーの温風を当てる。
- 凍結した給湯器を繰り返し運転する。
- 配管をたたく、固くなったバルブを無理に回す。
- 点検口を外して天井裏や壁内へ熱源を向ける。
凍結箇所や設備の種類が分からない場合は、温める作業を始める前に管理会社へ確認してください。
室内は在室中に暖房機器の説明書に従って通常どおり暖め、
配管が自然に解けるのを待つ場合も、漏水が起きないか確認しましょう。
室温を上げても、床下や車庫などの配管まで解けるとは限りません。
北海道ガスは、ガス給湯器等が凍結した場合、
リモコンの運転スイッチを切り、電源プラグは抜かず、自然解凍を待つ方法を案内しています。
お使いの機器の説明書と契約先の案内も確認してください。
出典:
札幌市水道局「水道が凍結したら」、
北海道ガス「ガス機器の凍結にご注意」
3.水が出ても、漏水確認が終わるまでは注意する
凍結で配管にひびが入っていると、氷が解けた後に漏水が始まることがあります。
通水後は、蛇口の周辺、見える配管、給湯器の下、床などを確認してください。
水抜き後に再通水する際は、蛇口の開け放しにも注意し、指定された手順で操作しましょう。
修理業者が見つからないとき|札幌市の指定事業者名簿を確認

強い寒波や年末年始には、修理依頼が集中する場合があります。
賃貸住宅では、まず管理会社の指定業者や緊急対応窓口を確認してください。
自分で別の業者を依頼する場合も、手配の重複を避けるため管理会社へ共有しましょう。
札幌市水道局は、凍結修理を直接行いません。
公式サイトで、凍結修理に対応する指定給水装置工事事業者を確認できます。
指定事業者であっても、すぐに訪問できることや一律の料金が保証されているわけではありません。
札幌市水道局:修繕工事・凍結修理を行う指定給水装置工事事業者
依頼前に確認したい料金・作業内容
- 凍結の解氷に対応できるか、訪問予定はいつか。
- 出張費・見積料・夜間休日料金はいくらか。
- 解氷作業と、破損した配管の修理は別料金か。
- 追加作業が必要な場合、事前に説明・確認してもらえるか。
- 復旧できなかった場合やキャンセルした場合にも費用が掛かるか。
時間的な余裕があれば複数の見積もりを比較し、作業内容に納得してから依頼しましょう。
緊急時は被害拡大を防ぐ対応を優先しつつ、連絡履歴・写真・領収書を残してください。
水道凍結の修理費は、入居者と貸主のどちらが負担する?
「凍ったら必ず入居者負担」「水抜きをしたなら必ず貸主負担」とは言い切れません。
凍結の原因、設備の状態、説明された操作方法、契約内容などを確認して判断します。
民法では、貸主は賃貸物の使用に必要な修繕をする義務を負うことが基本ですが、
借主に責任のある事情で修繕が必要になった場合などは扱いが異なります。
修理の手配を誰がするかと、最終的に誰が費用を負担するかも分けて整理しましょう。
| 状況 | 確認するポイント |
|---|---|
| 必要な凍結対策をしていなかった | 説明の有無、必要な注意を尽くしたか、操作と凍結の因果関係。借主負担となる可能性があります。 |
| 水抜き栓・配管などに不具合があった | 業者の調査結果、過去の不具合、設備の修繕状況。貸主側の修繕・負担を検討します。 |
| 水抜き済みだが原因が不明 | 操作履歴、設備の作動、凍結箇所などを確認し、直ちに負担者を決めつけないことが大切です。 |
業者には、解氷・修理の内容だけでなく、確認できた原因も記録してもらいましょう。
費用を請求された場合は、見積書・請求書の内訳と、負担を求める理由を確認してください。
負担の話し合いと、必要な復旧作業を並行して進めることが重要です。
水道局が案内する「修繕費用は自己負担」とは、水道局が修理費を負担しないという案内です。
それだけで、賃貸住宅の借主が必ず負担すると決まるわけではありません。
参考:
国土交通省掲載「民間賃貸住宅に関する相談対応事例集」(2018年3月・PDF)、
e-Gov法令検索「民法」第606条・第607条の2・第615条
火災保険は使える?「解氷」と「破損修理」を分けて確認
火災保険に入っていても、水道凍結に関する費用がすべて補償されるとは限りません。
次の費用は、それぞれ対象になるかを確認する必要があります。
- 解氷費用:凍った配管を解かす費用。
- 配管の修理費用:凍結により破損した水道管を直す費用。
- 漏水による損害:建物・家財・階下などに生じた被害。
- 賠償に関する費用:法律上の賠償責任が生じた場合の補償。
例えば損保ジャパンの「THE すまいの保険」のFAQでは、
建物を対象とする契約の凍結水道管修理費用について、
凍結しただけで破損がない場合は対象外と案内しています。
これは同商品の例であり、借家人向け保険などすべての契約に共通する条件ではありません。
保険会社・代理店には、事故状況を伝え、
対象となる補償、免責金額、支払限度額、必要な写真・書類を確認しましょう。
保険の対象かどうかと、貸主・借主のどちらに責任があるかは別の論点です。
出典:
損保ジャパン「水道管が凍結した場合は補償されますか?」
凍結しやすい環境とは?築年数だけで判断しない
凍結のしやすさは、断熱・保温の状態、配管の位置、建物の使われ方などによって変わります。
新築だから安心、古いから必ず凍るというものではありません。
- 配管が車庫や外気の影響を受けやすい場所を通っている。
- 配管が通る場所の近くに、暖房を使っていない空室がある。
- 保温材が傷んでいるなど、配管の防寒対策に不具合がある。
- 外壁側の水回りなど、室内でも温度が下がりやすい場所がある。
- 過去にも同じ箇所で凍結を繰り返している。
室内が暖かくても、車庫や空室部分を通る配管まで暖かいとは限りません。
内覧・入居時には、水抜き方法に加えて、過去の凍結や対策の状況も確認するとよいでしょう。
オーナー・管理会社が確認したいこと
水抜き栓や凍結防止設備の点検、空室の管理、入居者への操作説明を冬前に行いましょう。
凍結・水漏れを繰り返す物件では、配管の保温や更新を含めて専門業者に相談する必要があります。
解氷だけでは、原因となる設備不良が残る場合があります。
店舗・テナントは、休業中の設備管理も重要
水道凍結は住宅だけの問題ではありません。
飲食店などでは、水が使えないため営業を続けられず、
修理の予定が分からないことで営業再開の案内にも困る場合があります。
私も前職で、住宅・テナント双方の凍結対応に携わりました。
厨房機器、製氷機、給湯器などは、それぞれに停止・水抜きの手順があります。
年末年始や定休日が続く前に、管理会社・機器メーカーと確認してください。
店舗の配管を一律の方法で水抜きすることは避けましょう。
休業補償についても、「火災保険に休業補償が付いているから、凍結による休業も必ず対象」とは限りません。
対象事故、設備の物的損害が必要か、免責期間、補償日数などを保険会社に確認しておくことが大切です。
札幌の水道凍結に関するよくある質問
半日留守にするだけでも水道は凍りますか?
条件によっては凍結する可能性があります。
不在時間だけでなく、冷え込み、室温、配管の位置などに左右されるため、
短時間なら安全と決めつけず、建物に合った対策を確認してください。
水抜きしたのに凍った場合、修理費は大家さんが払いますか?
水抜きの実施だけで負担者は決まりません。
操作内容、設備の不具合、凍結原因、契約内容などを確認して判断します。
業者の調査結果と費用明細をもとに話し合いましょう。
水は出るのにお湯が出ない場合も、水道凍結ですか?
給湯器や給湯側の配管の凍結、機器故障などが考えられます。
エラー表示と症状を確認し、管理会社や契約先のガス会社などへ連絡してください。
給湯器にお湯やドライヤーを使って解凍しないでください。
札幌市水道局に連絡すれば修理に来てもらえますか?
水道局は凍結修理を直接行いません。
賃貸住宅では管理会社へ連絡し、必要に応じて水道局の公式サイトで凍結修理に対応する指定事業者を確認してください。
火災保険で水道凍結の費用はすべて補償されますか?
契約によって異なります。
解氷費用、破損した配管の修理費用、漏水による損害を分けて、
対象となる補償や免責金額を保険会社に確認してください。
冬を迎える前に、操作方法と連絡先を確認しましょう
水道凍結は、事前に操作方法を知っているだけでも対応が変わります。
寒くなってから慌てないよう、水抜きの手順、給湯器の説明書、管理会社の緊急連絡先を確認しておきましょう。
当社も管理の現場で、凍結や水漏れの対応の難しさを経験してきました。
凍結が起きた際は、無理な自己処置をせず、状況を正確に伝えることが復旧と原因確認につながります。
札幌のお部屋探しは、冬の暮らしも含めてご相談ください
「北海道で初めて暮らすので冬が心配」「暖房や水回りの設備も確認したい」など、
お部屋探しの際に気になることをお聞かせください。
家賃や間取りだけでなく、札幌での暮らしを考えた物件選びをお手伝いします。
※現在お住まいの物件で凍結・漏水が起きている場合は、
その物件の管理会社・貸主・緊急窓口へご連絡ください。



